2021年4月1日付けで施行された労災保険法施行規則等の改正により、特別加入制度の対象として、「放送番組(広告放送を含む。)、映画、寄席、劇場等における音楽、演芸その他の芸能の提供の作業又はその演出若しくは企画の作業」が新設されました。
加入対象者は労働者以外の方であって、具体的には、「対象職種はこちら」の通りです。
それはできません。特別加入の手続きは「特別加入団体」が行うことになっており、特別加入団体を事業主、特別加入者(芸能関係作業従事者)を労働者とみなして労災保険が適用されます。ここでいう「特別加入団体」が「全国芸能従事者労災保険センター」です。
はい、地域の制限はなく文字通り、全国の方々の加入をお取扱いできます。
加入申込の受付や特別加入の手続き、当該団体としての労働保険料の申告・納付については、労働保険事務組合に委託しています。また労災事故の手続きについては、社会保険労務士をはじめ、労基署の元労災担当官や損害保険、生命保険会社出身の専門家がわかりやすく丁寧にサポートし、保険給付の請求書の作成支援等を行います。
一方、労働災害防止の措置に関しては、当該団体が主導で各芸能団体との協力をもって会報による周知や勉強会を開催、遠方地域の会員に対しては研修(双方向的なオンライン実施を含む)などの活動を企画しています。
はい、随時加入を受け付けています。保険年度の途中で加入される場合は、保険年度末までの年間保険料を月割りでいただくことになります。そのため、月初めに加入されても、月末に加入されても1ヵ月分の保険料は発生し、また、脱退される場合も同様の取り扱いとなります。
特別加入のお申込み後、労災保険料等(労災保険料、年会費及び入会金)の額が当センターの指定銀行口座に入金されたことが確認できましたら、5営業日以内に監督官庁へ特別加入の申請手続きを行います。そのため、労災保険の有効期間は、この手続きが完了した日の翌日以降となります。申請手続き完了のお知らせ(電子メール)を受信されましたら、このサイトの「会員ページ」から「労災保険特別加入者証」の「有効期間」をご確認ください。
災害が発生してから加入することを防ぐ意味で、日付をさかのぼって特別加入することはできません。また業務災害または通勤災害が発生した後に特別加入されても、すでに発生した災害の給付には反映されません。
保険年度の途中で特別加入を脱退することはできますが、さかのぼってすることはできません。脱退する場合は、原則として脱退を希望する日の14日前までに、「脱退届」を提出してください。この「脱退届」を受領後、監督官庁への特別加入脱退の申請手続きを行います。また、脱退月の翌月から年度末までの未経過月分の労災保険料については、脱退申請手続きが完了後、指定口座へ返戻することになりますが、その際の振込手数料は脱退者の負担となります。入会金と年会費については返戻できませんので、あらかじめご了承願います。
なお、以下の場合は、特別加入者としての地位は自動的に消滅します。
また、特別加入者のメールアドレスの変更、音信不通などにより、翌保険年度への更新の意思を確認できない場合は、当該保険年度の末日をもって脱退となりますのでご注意ください。
給付基礎日額は、労災保険料の算出や、休業(補償)給付などの給付額を算定する基礎となるもので、労災保険特別加入の申請に基づいて、労働局長が決定します。給付基礎日額が低い場合は、保険料は安くなりますが、その分、休業(補償)給付などの給付額も少なくなりますので、十分ご留意の上、適正な額をお申込みください。労災保険の給付には、休業補償給付、傷病補償給付、障害補償給付、 遺族補償給付、葬祭料などがありますが、それらは「現金給付」ですので、給付基礎日額が支給額の算出基礎となります。一方、療養補償給付は「現物支給」ですので、給付基礎日額の多寡に関わらず無料で必要な診療が受けられます
給付基礎日額は、所得に見合った額を選択していただくのが基本です。例えば、年収365万円の方の場合は、暦日数365日で割った額となる1万円が目安となります。
保険年度の途中で給付基礎日額を変更することはできませんが、特別加入の翌保険年度への更新(「年度更新」といいます。)のときに変更することは可能です。給付基礎日額の変更を希望される場合は、2月から3月の間に年度更新の手続きを行いますので、そのときに承ります。
年度更新とは、保険年度(4月1日から翌年3月31日まで)を単位として、前年度の特別加入者の労災保険料を精算するための確定保険料の申告・納付を行う手続きのほか、新年度への継続加入の意思の確認や給付基礎日額の変更の有無を確認したうえで、継続加入者の労災保険料を申告・納付する手続きをいいます。毎年2月に特別加入者のメールアドレスへ「年度更新のご案内」をお送りし、更新を希望される方は、新年度分の労災保険料を3月の指定期日までにお振込みいただきます。
労災で受傷したときは、まずはお近くの医療機関を受診し、その際窓口で仕事中あるいは通勤途上での労災である旨を申し出て、「労災保険特別加入者証」を提示してください。健康保険を利用しないようご注意ください。
受診した医療機関が労災指定病院であれば所定の労災保険請求書を医療機関へ提出することによって無料で治療を受けられそれまでの負担金も返金されます。
労災指定病院でない場合は、一旦治療費(薬剤費を含む)の支払いをし、後日労働基準監督署へ所定の給付請求書に領収書を添え請求することになります。
労災として給付請求をされる場合は、先ず事故の状況を「事故発生連絡票」にて当センターにご報告ください。事故の状況等についてより詳細な情報が必要になる場合や、今後の対応等も含めたご連絡は、原則メールとさせていただきます。また医療機関とのやり取りは、被災者またはご家族が主体として行っていただきます。保険給付申請書類の作成支援は当センター所属の社会保険労務士や元労災保険担当官が原則無料で行いますが、労働基準監督署への提出は本人またはご家族等で行っていただきます。
被災者の死亡に伴う遺族給付の請求や障害給付の請求等の場合で社会保険労務士の現地調査や出張等を伴うことがあるような特別な場合は、別途費用(事前の了承を得て)が生じるケースがあります。
2020年9月1日施行の労災保険法の改正により、副業・兼業をしている労働者が1つの事業所での業務や通勤で労災が発生し療養のため労働ができなくなった場合、他の事業所での賃金を合算した額を基礎として保険給付額を決定する「複数事業労働者」の規定が新設され、以前と比べ休業補償が手厚くなりました。この規定は、特別加入している芸能従事者が他の事業所でアルバイトとして就業している場合も対象となるため、アルバイト先での賃金額を基に算定された給付基礎日額を合算して休業補償の給付額が決定されることになります。
調査により感染経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性(確率)が高く、業務に起因したものと認められる場合には、保険給付の対象となります。
「業務によってコロナ感染した場合、労災保険給付の対象となります」
「業務によってコロナ感染した場合、労災保険給付の対象となります」
「新型コロナウィルス感染症に係る労災認定事例」
特別加入者の場合、所得喪失の有無にかかわらず、療養のため補償の対象とされている範囲 (業務遂行性が認められる範囲)の業務または作業について全部労働不能*であることが必要とされています。したがって、台本の読み合わせ等を含め舞台公演のための業務や作業ができないことが客観的に認められる場合は、休業補償の支給対象となります。
特別加入の保険料等(労災保険料、入会金及び年会費)の処理は次のとおりです。
金融機関の振込制度(労働保険料専用口座(通帳)に委託事業主名および入金額が個々に印字されている)を利用していることから、加入申込者に対する領収書の発行を省略するものとし、金融機関発行の振込金受取書をもって領収書に替えさせていただきます。
当センターの会員の方は、このサイトの「会員ページ」から「労災保険特別加入者証」を確認することができます。
なお、万一に備えいつでも確認できるように、この電子特別加入者証を画像として携帯端末等に保存することをおすすめします。
芸能関係作業とアニメーション制作作業はそれぞれ別の作業ですので、それぞれの作業で労災保険の適用を受けるためには、それぞれで「特別加入団体」※を通して特別加入していることが必要です。但し、声優もしくは音楽家(作曲家、編曲家、演奏家、歌手等)の方については、アニメーション制作作業従事者ではなく、芸能関係作業従事者として特別加入することができます。
なお、芸能関係作業又はアニメーション制作作業のいずれに該当するかの判断は、従事される作業の成果物によって判断することになります。
成果物に関する実例は以下の通り。
建設の事業(土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊若しくは解体又はその準備の事業)に該当する作業と芸能関係作業従事者に係る作業については、それぞれ別の作業ですので、それぞれの作業で労災保険の適用を受けるためには、それぞれで「特別加入団体」※を通して特別加入していることが必要です。
したがって、建設の事業の様態を伴って大規模な舞台や大道具の製作を行う作業と、建設の様態を伴わずに舞台上に設置できる程度の大道具、背景等を製作・設置する作業の両方を行う方が、それぞれの作業で労災保険の適用を受けるためには、それぞれで特別加入をしていることが必要です。